いきなりの栄養は注意!リフィーディング症候群

ICU知識
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こんにちは、ナスマガのYUKIです。

今回はICUでよく考えないといけないリフィーディング症候群について書いていきます。

よくICUでは「リフィーディング。リフィーディング」って略しますね。

働いていると、中には急に経管栄養とんでもないかカロリーで間欠投与指示出す医師もいるんですよね。そこは、看護師の知識の見せ所ですよ、一回先生に指示の確認をしていきましょう。


リフィーディング症候群の基礎

リフィーディング症候群とは?

リフィーディング症候群とは、慢性的な栄養不良状態が続き高度の低栄養状態にある患者にいきなり高カロリーの栄養補給を行うことによって発症する代謝合併症の総称です。

機序

飢餓状態や低栄養状態になるとエナジーサイクルは、糖主体にしたものから、タンパク質の異化や脂肪分解を主体としたものへと変わっていきます。さらに、ミネラルやビタミンなどの不足も併発します。

このような状態で急激に高カロリーの栄養を投与したとします。

急激な糖質やアミノ酸の体内への流入は、インスリン分泌を刺激し、摂取された糖質は細胞内に取り込まれ、ATP産生に利用され、タンパク質合成も亢進されます。

この過程で大量のリンが消費され、同時にカリウム、マグネシウムが細胞内に移動するためそれぞれの欠乏症状が引き起こされます。

予防・治療

低栄養の患者に対して、栄養開始する場合は必ず、リフィーディング症候群のリスクを考えるようにしましょう。

それでは、低栄養の患者とはどのような患者がリスクが高いのでしょうか?

具体的な病名では神経性無食欲症、担がん患者、低栄養の高齢者、胃切除後、アルコール中毒患者などです。ICUでは術後の患者はほぼこのハイリスクに該当していいと思います。

また、ガイドラインではこのように分類されています。

下記の基準が1つ以上
・BMl が16kg/㎡未満
・過去3~6ヵ月で15%以上の意図しない体重減少
・10日間以上の絶食
・再摂食前の低 K 血症,低 P 血症,低 Mg 血症
下記の基準が2つ以上
・BMI が18.5kg/㎡未満
・過去3~6ヵ月で10%以上の意図しない体重減少
・5日間以上の絶食
・アルコール依存の既往又は次の薬剤の使用歴がある:インスリン,化学療法 制酸薬,利尿剤

なんか、このガイドラインをみていると、ICUに入室している患者はほぼ当てはまりますよね。

心臓血管外科なら利尿薬も使っているし、大体高齢者はBMIが低いしで。

と言うことは。

YUKI
YUKI

 ICU看護師は必ずリフィーディング症候群を考えようと言うことですね。 

リフィーディング症候群の投与エネルギー量としては、「現体重×10kcal/日(重症では5kcal/日)」程度から開始するのが推奨されています。その後、電解質のモニタリングをしながら、100〜200kcalずつ増量していきます。

重症患者ではTPNなどの中心静脈栄養を投与することが多いですが、静脈栄誉では水分が多くなってしまいます。また、グルコースを多く使用するため、高血糖が引き起こされ、それに伴いインスリンの分泌が起こり、リン・カリウムなどの細胞内への移動が高まるため、可能な限り経口や胃管を使用した経腸栄養が推奨されています。

特に低リン血漿は昏睡やその後死に至るリスクが非常に高いことが知られているので、適宜採血を実施し電解質の値を注意しなければいけません。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しずつ自粛期間に自分の勉強を更新できたらと思います。

しかし、タイピングが遅い…笑

時期的にも乾燥して、感染者数が増えているのは当然ですが、みなさんご自愛ください。