
こんにちは、YUKIです。
今日は腹部コンパートメント症候群についてです。
ICUではしばしば、入室する疾患ですので勉強していきます。
腹部コンパートメント症候群
ACS:Abdominal Compartment Syndrome
腹部コンパートメント症候群とは?
それでは概要について書いていきましょう。
カルテには
ACS:Abdominal Compartment Syndrome
と英語表記されていることもあります。
ACSとは、何らかの原因により腹腔内圧(intra-abdominal pressure:IAP)が上昇することで、それに伴い他の圧排され生じるいつかの病態の総称を言います。
何らかの原因とは何でしょうか?
それは多岐に渡ります。
腹膜炎や腹部外傷、大動脈流破裂。
他にはそれらに伴う腸管浮腫や後腹膜血腫によりIAPは上昇しACSを呈するのです。
症状は?
症状はどのようなものがあるのでしょうか?
発生機序について
①IAPの上昇、腹壁コンプライアンスの低下
(→腹壁の伸展も限界になってまう)
②腹腔を目一杯使って、逃げ場をなくなった圧は周囲へと圧を分散させようとする
③腹腔の周囲にあるのは血管や臓器
④主に横隔膜・下大静脈・大動脈・内臓(肝臓・腸管)への圧排
⑤循環障害発生
⑤循環障害発生
このようなで症状が進行します。
①横隔膜の圧排で生じる
→胸腔内圧の上昇
(無気肺・換気能の低下)
→気道内圧の上昇
→心収縮力低下(心臓圧迫による)
②下大静脈の圧排で生じる
静脈灌流の障害
→心拍出量の減少
→循環血液量の減少
→DVTリスクの上昇
→頭蓋内圧の上昇
③大動脈の圧排で生じる
→抗負荷の上昇
→心拍出量の低下
腎静脈圧迫による乏尿
④大動脈の圧排で生じる
→後負荷の上昇
→心拍出量の低下
腎静脈圧迫による乏尿
⑤内臓の圧迫で生じる
循環障害による臓器不全
→肝障害、腎障害
バクテリアルトランスロケーション
治療は?
①腸管内減圧
NG・肛門菅挿入
経管栄養減量、中止
CF(大腸内視鏡検査)
②腹腔内減圧
エコー
CT
ドレナージ
③腹壁コンプライアンス改善
鎮痛・鎮静・筋弛緩
逆トレンデレンブルグ位
④輸液管理
輸液、体液バランス管理
利尿薬
透析
管理
管理で重要なことは、腹腔内圧を観察することです。
腹腔内圧は膀胱内圧に近似すると言われているので、膀胱内圧を観察します。
膀胱内圧(IAP)測定
IAPの測定は臥位、呼気終末時、腹筋弛緩、中腋窩線を0とする
【Baカテーテルでの膀胱内圧測定方法】
①Baカテーテルより膀胱内へ生食25mlを注入しクランプ
②モニタリングキットへ繋ぐ(CVP測定用などで代用可)
IAP>20で開腹術考慮

そして、大切な治療御方針もあります
それが、ダメージコントロールサージェリーです。
腹部救急や重賞外傷において
①全身状態の改善を待たずに、止血と感染コントロールを主にクリティカルな状態から引き上げるための手術
②ICUでの全身状態の改善を図る
③根治の為の予定再手術
上記の3段階の外科的アプローチを行うこと
※減圧し切れていないのに、無理な閉腹はACSを来す
以上、ACSの説明でした。
ICUでは入室することも多いので参考にしてみてください。
その他、自分が新人の時にお世話になった。
今でもお世話になっている本も紹介しておきます。
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