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こんにちは、ナスマガのYUKIです。
ICPモニター
これならわかるICU看護
今日はICPモニターについて、書いていきます。
こんな言葉聞いたことある人は、ICUかSCUに配属された看護師さんしかないのではないでしょうか?脳神経外科の看護師さんは逆にICPの言葉は知っていると思いますが、モニタリングは病棟ではしないでしょう。そこで、今回はICPモニターの基本を紹介します。
ICPモニターとは?
まず、ICPって何なん?って話ですね。
ICP=頭蓋内圧のことです。
そこで、ICPモニターとは頭蓋内に留置したセンサーを専門の圧トランデューサーに接続して、頭蓋内圧(ICP)と脳灌流圧(CPP)を表示します。
測定部位は脳室内、脳実質、硬膜下、硬膜外に挿入します。
脳外科術後の患者や、低体温療法使用中の患者に使用することが多いです。
OP室で挿入した後、帰室したら、脳外科の医師が0点校正を行います。そして、CTなどの移動時に外し再装着する時は再度その数値を入力し校正をしなおします。
目的

測定できる内容はわかったけど、なんの為に測定してんねん…
それでは目的です。
脳血流量(CBF)を維持し、二次性脳障害を最小限にする。
脳への障害は一次性脳障害と二次性脳障害に分けられます。
一次性能障害とは以下の内容になります。
- 外力による組織損傷(脳挫傷、脳内出血)
- 脳虚血(脳梗塞)
- 脳血管破綻(頭蓋内出血)
- 低酸素性脳障害
- 痙攣
これらが、引き起こされることで頭蓋内圧(ICP)が上昇します。
そして、頭蓋内の容量は決まっているので、行き場を失った圧は、脳の大事は箇所を圧迫していきます。それが二次性脳障害へと進行しまう。
二次性脳障害
- 脳浮腫
- 頭蓋内圧亢進
- 脳ヘルニア
管理のポイント
成人患者ではICP≦20mmHgとなるように管理
頭蓋内圧亢進の定義はICP≧20mmHgが5分以上持続する時と言われています。
頭蓋内圧亢進症状とは
自覚症状
- 頭痛
- 嘔吐
- 複視
他覚症状
- うっ血乳頭
- 意識障害
- クッシング症状(高血圧・徐脈)
- 外転神経麻痺
- 脳ヘルニア兆候(片麻痺・瞳孔不同)
挿管していない、患者であれば本人へ症状を確認し、頭蓋内圧亢進症状がないかをICP値とともに観察していきましょう。

どんな対応をしたらいいの?
まずは、医師へ症状を報告しましょう。
D−マン二トールを投与しICPを下げるであったり、脳灌流圧(CPP)を保ちつつ、指示範囲内の血圧コントロールをクリアできるように、降圧薬を投与する場合があります。
脳灌流圧とは?
文中にでてきた脳灌流圧とはなんなんでしょうか?
まずは頭蓋内圧(ICP)の基準値について
ICP正常値:5〜15mmHg
そして、脳灌流圧(CPP)には計算式が存在します。
CPP(脳灌流圧)=MAP(平均動脈圧)ーICP(頭蓋内圧)
CPP正常値:60〜160mmHg
CPPは50mmHg以下では脳虚血の可能性もある為、過度の低下にも注意が必要です。
ICPモニタリングしている患者さんの多くは動脈血ラインが挿入されているので、持続的に血圧のモニタリングが可能です。ICPだけでなく、血圧にも注意してください。
ケア時の注意点
・センサーの誤抜去防止
挿入センサーの誤抜去防止の為、受け持ち時にルートがループされ固定されているかを確認してください。そして、マーキングを実施することで抜けかけていないかの確認も重要です。
・感染徴候
発熱や頭痛、頸部硬直の髄膜炎症状に注意してください。異物が挿入されている為、感染リスクは非常に高くなりますので、清潔操作も徹底してください。
・頭部挙上
静脈灌流促進の為、ベッドアップを15〜30度程度挙上した状態で管理します。
・不必要な吸引は避ける
吸引は咳嗽誘発により血圧の突発的な上昇を来たすので、吸引の可否をアセスメントし必要最低限の吸引に留めるようにしましょう。
・排便コントロール
怒責時に関しても、血圧上昇を惹起する為、適宜緩下剤を使用してください。

以上。
今日は、ICPモニターでした。
受け持ち時は医師と確認の上、看護してください。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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