食道癌について、元ICU看護師が解説

ICU知識
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こんにちは、ナスマガのYUKIです。

今日もさらっとですが、ICUへの入室疾患について書いて行きましょう。

食道癌について

概要

さて、食道はどのような組織でできているでしょうか?

食道の粘膜は扁平上皮からできているいます。そのため、食道癌の90%は扁平上皮癌で欧米では食道と胃の堺目から発生する、せん癌が増加しています。

特徴として、食道はリンパ管や血管が豊富なため他の消化器の癌よりも転移しやすいです。また、食道のリンパ節は頸や胸、腹部につながっているので、食道の周りだけでなく頸や腹部のリンパ管に転移することや血液に流れ込み、肝臓や肺、骨などに転移することもあります。

原因

  • 飲酒
  • 喫煙
  • 熱い食べ物
  • 辛い食べ物
  • 冷たい食べ物
  • 肉や魚の焦げ

などが考えられています。

症状

食道の粘膜にとどまる早期の癌では、症状が現れることは少なく、癌が進行するにつれて以下の症状が生じる。

  • 食道がしみる
  • 喉がつかえる
  • 体重減少
  • 胸痛
  • 背部痛
  • 咳や血痰
  • 嗄声

治療

遠隔転移がないものは手術療法が治療の基本になります。食道は頸部・胸部・腹部の3領域にまたがる臓器で病変の位置によって3領域のリンパ節を全て切除・摘出する必要があります。食道を切除した後の再建は主に胃(場合により小腸・大腸)を用いることが多くの場合は手術時間は8時間〜10時間になります。

<頸部食道癌>

がんが小さく頸部の食道に留まり、周囲へのがんの広がりがない場合は、喉と胸の間の頸部食道のみ切除します。切除した食道の代わりに、小腸の一部(約10cm)を移植して再建します。移植腸管は、血管を頸部の血管とつなぎ合わせることが必要で、喉の近くまで広がった癌に対しては、頸部食道とともに喉頭を切除し、小腸の一部を喉頭と胸部食道の間に移植します。そして、気道の入り口を頸部の最下端中央に作ります。これは、喉頭を切除するため、声が出せなくなります。

<胸部食道癌>

原則的に、胸部食道の全部切除します。同時に、胸部のリンパ節を切除します(リンパ節郭清)。胸の中にある食道を切除するために、右側の胸を開きます(右開胸)。開胸を行わずに、頸部と腹部を切開し食道を引き抜く術式(食道抜去術)もありますが、この術式では食道の周囲のリンパ節を切除できません。←私も経験したことないです。

食道を切除した後は、胃を引き上げて残っている食道とつなぎ合わせて、食道の通る新しい道を再建します。胃が使えないときには、大腸または小腸で代用します。胃や大腸・小腸を引き上げる経路は3種類あります。

  1. 胸骨前:胸部の皮膚の下を通す方法
  2. 胸骨後:胸骨の下で心臓の前を通す方法
  3. 後縦隔:元の食道のあった心臓の後ろを通す方法

それではそれぞれのメリットを書いていきます。

<胸骨前>

  • 口側食道切除がより高位まで可能
  • 吻合操作が簡単
  • 縫合不全の処理が容易かつ安全
  • 再建臓器に癌ができた場合、治療がしやすい

<胸骨後>

  • 口側食道切除がより高位まで可能
  • 再建距離が胸骨前より短い
  • 胸腔内吻合より吻合不全の処置が容易
  • 再建臓器に癌ができた場合、比較的治療しやすい

<後縦隔>

  • 生理的ルートに最も近い
  • 手術侵襲が小さい
  • 吻合不全の発生頻度が少ない

<腹部食道癌>

腹部食道癌に関しては、胸部食道と同様に、右側を開胸して食道と周囲のリンパ節を切除する方法や、左側を開胸して食道の下部と胃の噴門部を切除します。

看護

術後出血

概ねそうなんですが、やっぱりICU看護をしていると、一番念頭においているのはやっぱり出血になります。

術後出血は48時間以内に起こりうる可能性があります。

観察項目は以下の通り

  • 創部出血の有無
  • ガーゼ汚染の有無、範囲、量、性状の変化
  • バイタルサイン変動
  • 血液検査データ(Hb、PLT)

などがあります。血圧が高いと出血リスクが高まるので、降圧薬・鎮静剤投与を考慮してください。

ドレーン管理

術後胸部ドレーン・頸部皮下ドレーン・横隔膜化ドレーンなどが留置されICUへ入室します。

  • ドレーン排液量や性状
  • 刺入部からの出血の有無
  • 胃管や腸瘻チューブの廃液の性状

などを観察します。

嗄声

嗄声に関しては術後頻繁に発症する合併症の一つです。

術操作により反回神経を損傷すると嗄声(かすれたような声)となります。抜管後嗄声の有無や嚥下状態を観察します。

呼吸状態
  • 呼吸音
  • 呼吸回数
  • 呼吸パターン
  • 喀痰の有無
  • 痰の性状

などを観察します。喫煙者が多いことや術前から放射線治療を受けていることで呼吸状態が低下している可能性が高いです。加えて、術後疼痛により十分な換気、咳嗽が行えず無気肺や術後肺炎のリスクを伴うため、必要体位ドレナージや呼吸介助、吸引吸入を実施します。

看護師として、術前に再度疼痛の説明をしておくことや、体位変換の際に手で創部を押さえるようにし、息を吐きながら整えることも必要です。

もちろん鎮痛薬も考慮しましょう。以下参考にしてください。

以下僕のオススメ本載せてます。


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