
今日は脳外科疾患について記事にしていきます。
いろいろな脳出血
ICUで働いていると頻繁に脳出血患者さんを受け持ちます。
最近は寒暖差のあるし、頭の血管も悲鳴をあげているのでしょう。
そんな患者を救うべく、日々勉強していきましょう。
脳出血とは
脳出血とは脳血管が何らかの影響で破綻してしまうことで脳実質に出血が生じる疾患です。
原因は様々ですが、多くは高血圧性脳出血がほとんどです。患者さんの多くは高血圧の既往歴があります。

うぅ〜。高血圧。食生活とか気をつけないと‥
あ、昨日もたらふくファストフード食ってもうたわ。
高血圧以外には、脳アミロイドアンギオパチー、血管腫、脳動脈奇形、脳動脈瘤、もやもや病、血管炎などが存在します。
突然に発症し、頭痛・嘔気・嘔吐を伴い、進行すると意識レベル低下を引き起こします。
しばしば、救急外来からの申し送りで「脳室穿破しています」と申し送りがありますが、それは血腫が脳室を穿破しており、出血が大きく、脳ヘルニアを引き起こすリスクが高く、予後不良に可能性が高いことを意味します。
いろいろな脳出血
それでは続いて、各出血部位ごとにみていきましょう!!
被殻出血
これは基底角レベルのCT画像になります。
- 上の黒い空間が『側脳室前角』
- 真ん中の黒い空間が『第三脳室』
- 下の黒い空間が『側脳室後角』になります。
被殻出血の特徴的な身体症状は、病側と反対側の麻痺と感覚障害です。一般的に感覚障害よりも方麻痺の方が強く症状がでると言われています。さらに出血が進行すると、意識障害や病側への眼球共同偏視が生じます。
![共同偏視 | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]](https://img.kango-roo.com/upload/images/tomokosakamoto/nursepedia/574d1.png)
視床出血
視床は比較のやや斜め下よりの位置にあります。
視床は感覚の中継する部分であり、意識の維持や睡眠、覚醒リズムを司っています。
視床出血に特徴的な身体症状は、片麻痺や感覚障害がありますが、被殻出血と異なり、感覚障害の方が強く出現するのが特徴です。その他にも、鼻先を睨み付けるような、下方性眼球共同偏視が特徴です。
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橋出血

橋レベルのCT画像になります。
橋はしばしば本では、「てるてる坊主」に似た部位と言われることがあります。このCTでは丸で囲まれた、「てるてる坊主」の頭の部分が橋です。
橋は四肢運動・感覚・眼球運動・瞳孔機能・意識などに関与しています。
ですので、ここが障害されると瞳孔収縮(針先瞳孔)や四肢麻痺を特徴的に引き起こします。

小脳出血
赤く囲まれたところが小脳に起きた出血です。
小脳は橋の下部分にCTでは映し出されます。
小脳の機能としては、筋緊張・平衡感覚・運動の調整を担っています。よって、ここが障害されると、めまい・頭痛・嘔吐意外に、小脳性運動失調や眼振をはじめとする小脳症状が引き起こされます。
小脳性運動失調とは、巧緻性が障害されることにより、手の動きがぎこちなくなったり、足下がフラフラしたりします。
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皮質下出血
最後に皮質下出血についてです。

まとめ的に全体的に載せてみました。
皮質下出血は一番右のCTのなります。
皮質下出血では頭痛や運動麻痺、痙攣、失語など脳で出血の起きた部位の神経脱落症状が生じます。
以上簡単ではありますが、脳出血についての説明でした。
CTは最終的に読影のレポートがでますが、緊急などの時ではまだ解析されてないこともあるので、自分の見立てをレポートと合わせて、勉強していくのもいいかもしれません。
看護する際は医師の指示の下、実施していってください。
ありがとうございました。
みなさまご自愛ください。