

今日はもうすぐ2020年も終わりを迎えるので、今年猛威をふるった(ふるい続けている)COVIDー19について、自分の勉強の為にも書いていこうと思います。
※自分の勉強になりますので、間違えている部分もあるかもしれません。今後現場に活かされる方はご自分でも勉強し理解した上で実践してください。なお、自分の勉強は世界保健機関から示されているガイドラインや過去のARDSを元にした先行研究・勉強会に参加した時の資料を参考にしています。
よろしくお願いします。
一人でもCOVID~19陽性者が回復することを目指し勉強に励んでいます。
新型コロナウイルス(COVID-19)の看護
〜基本について〜
世界保健機関(WHO)医療者ページより
それでは、頑張って勉強していきます。
新型コロナウイルスって?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は新型のコロナウイルスである SARS-CoV-2によって
引き起こされる呼吸器感染症のことです。
もう1年前のことになりますが、2019 年 12 月に初めて中国の武漢で発見されました。
ウイルスのゲノム解析は、SARS-CoV-2 は急性重症呼吸器症候群(SARS)ウイルスと関連が深い、βコロナウイルスであることを示している

ん〜。この辺の専門的なことはわからん。
ほとんどの患者さんが軽症または複雑でない病状になる中で、およそ 14%が入院や酸素投与を必要
とする重症となり、5%が集中治療室への入院を要する 。重症例では、COVID-19 は急性呼吸
促拍症候群(ARDS)や敗血症、敗血症性ショック、急性腎損傷および心損傷を含む多臓器不全
を合併することがあります。

この重症例を僕は日々受け持ってるワケやな。
って言ってもそこまで受け持つ機会ありませんが。
症状
<軽症>
上気道ウイルス感染症の合併症のない患者は、発熱、疲労感、咳嗽(喀痰の有無を問わず)、食欲不振、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛、呼吸困難、鼻閉感、頭痛といった非特異的な症状を伴う可能性がある。まれに、患者はまた下痢や吐き気、嘔吐を呈することもある
<肺炎症状>
肺炎であるが、重度の肺炎徴候が認められず、酸素投与の必要がない
<重症肺炎>
- 発熱または呼吸器感染の疑いがあり、かつ次のいずれかの症状がある。呼吸数が 1分あたり 30 回以上重度の呼吸促迫がある。または、room air(21%)で SpO2 が 93%未満
<急性呼吸促迫症候群:ARDS>
発症:明らかな臨床的ダメージ、あるいは呼吸器症状の出現、悪化から 1 週間以内。
胸部画像:両側性陰影(胸水、無気肺、結節のみでは完全には説明できない)。
肺水腫の原因:心不全または輸液過剰によって完全に説明できない呼吸不全。リスク因子が存在しない場合は、静水圧による浮腫を除外するために、客観的な評価が必要(例:心エコー検査)。
<酸素化障害>※成人の場合
- 軽度 ARDS:200 mmHg<PaO2/FiO2 (a)≦300 mmHg(PEEP またはCPAP≧5 cmH2O、または非換気)
- 中等度ARDS : 100 mmHgPaO2/FiO2 (a)≦200 mmHg( PEEP≧5cmH2O、または非換気)
- 重症 ARDS:PaO2/FiO2≦100 mmHg(PEEP≧5 cmH2O、または非換気)
- PaO2 が不明な場合は、SpO2/FiO2≦315 の患者を ARDS とする(非換気患者も含む)
<敗血症>
生命にかかわるほどの臓器不全が、感染に対する宿主応答の調節不全の結果起こる。臓器不全の兆候として、精神状態の変化、呼吸困難または頻呼吸、酸素飽和度の低下、尿量減少 、心拍数増加、末梢動脈触知微弱、四肢冷感または低血圧、皮膚の mottling 所見(まだら皮膚)、または凝固障害、血小板減少症、アシドーシス、乳酸高値または高ビリルビン血症の検査結果などがある。

敗血症はよくICUで受け持つ症例ですね。ですが、ここで問題になるのはいつもの敗血症(ゼプシス)と比べ、原因菌が特定されても、有効な抗菌薬が開発されていないことです。今はアビガンやレムデシビルなどが開発されてますが。今はイギリスもですかね。効果のほどに期待ですね。
<敗血症性ショック>
輸液負荷下においても低血圧が持続し、MAP を 65 mmHg 以上に保つため昇圧剤を要し、血清中の乳酸値が 2 mmol/L 以上。

敗血症でこれが一番怖いですね。ICU看護師なら「あーやばいな。」って経験でわかるのではないでしょうか?輸液負荷に加えて、MAP(平均血圧)が保てなければ、臓器血流が確保されず、嫌気性呼吸が更新し、乳酸(ラクテート)が産生され、アシドーシスが進行します。そして、カテコラミンの使用(NAD・DOB)でも無理ならピトレシンを使い血圧を維持します。(カテコラミンについては過去記事のも効果を書いています。)
個人防護具(PPE)の使用
現時点で新型コロナウイルス(COVIDー19)は接触・飛沫・空気感染での感染経路であると言われている為、それに応じた防護具を選択し着用し対応します。
WHOでは次のように新型コロナウイルスの疑いの程度によって、個人防護具の選択を推奨しています。
<来院される患者さんへ>
疑い例には医療用マスクを提供し、隔離エリア(可能であれば隔離室)へ患者を誘導します。疑い例とその他の患者の間の距離は少なくとも 1 メートルを保つようにし、咳やくしゃみをする間、ティッシュや曲げた肘の内側で鼻と口を覆い、分泌物に接触した後は手指衛生(アルコール消毒)を実施するよう全ての患者に指示しています。

<飛沫感染予防>
飛沫予防策は、呼吸器系のウイルスが大きい飛沫によって伝播を予防する。患者さんと 1m 以内の距離で作業をする場合、医療用マスクを着用します。患者は個室に配置するか、同じ病因と診断されたものと一緒にグループに集める。呼吸器症状(例えば咳嗽やくしゃみ)のある患者と濃厚に接触する治療を行う場合、分泌物のしぶきが発生する可能性があるため、目の保護具(フェイスマスクもしくはゴーグル)を使用する。患者が動ける範囲は施設内に限定し、個室外に出るときは医療用マスクを必ずつけるように説明する。

僕も常にゴーグルを装着して、仕事しています。コロナ患者の受け持ちでない場合も病院よりアナウンスがあり、マスクに医療用ゴーグル装着で日々働いています。しかも、ゴーグルは実費。
<接触感染予防>
接触予防策は、汚染された表面や装置(例えば汚染された酸素チューブまたは鼻と接する部位)との接触からの、直接的または間接的な伝播を予防します。入室時に PPE(医療用マスク、目の保護具、グローブ、ガウン)を使用し、退室時に PPE を取り外し、PPE の除去に並行して手指衛生を実施する。可能であれば、使い捨てで専用の装置(例えば聴診器、血圧計カフ、パルスオキシメーター、体温計)を使用する。機器が患者間で共有される必要がある場合、清掃と消毒を各患者の使用の間に行う。医療従事者は確実に、汚染された可能性があるグローブやグローブを付けていない素手で、自身の目、鼻、口を触れることを避けなければならない。直接患者の治療に関係のない場所でも(ドアノブや電気スイッチ)表面を汚染することは避ける必要がある。患者や検体搬送の、医療上不必要な動きを防止する。手指衛生を実施する。

これもなかなかに辛いんですよね。僕の病院ではコロナ患者を受け持ったら、病院のシャワーに入ってから帰宅しています。これ意外と辛いんですよね。もちろん、ちゃんと化粧水とかスキンケアしたいので、もう一回家帰ったら風呂に入るので、大体1日に2回は風呂に入ってますよね。これ結構地味に辛い。(コロナあるある)
<空気感染予防>
エアロゾルが発生する手技(例えば気管吸引、挿管、気管支鏡検査、心肺蘇生法)を実施する医療従事者は、適切な PPE を利用することを徹底する。PPE にはグローブ、長袖のガウン、目の保護具、フィットテスト済みの微粒子用マスク(N95 またはそれに相当あるいはそれ以上のレベルの製品)が含まれる。定期的なフィットテストは、使用前の使用者のシールチェックと混同するべきではない。エアロゾルが発生する手技を実施する際は、可能であれば常に、適切に換気された個室を使用する。つまり、陰圧の部屋で、毎時最低 12 回の換気回数、または自然換気の施設では患者 1 人につき 1 秒当たり 160L の換気が行われていることを意味する。室内に関係のない人がいることを避ける。機械的人工換気の開始後は、同じタイプの部屋で治療を行う。
治療
続いて治療についていきましょう。
まずは抗菌薬治療が感染症の必須項目ですが、現在確率されていないので割愛します。
一般的にはアビガンやレムデシビルを使用するのでしょうか。テレビでよく聞くのはこれですが、承認を受けてないとかなんとかで。今後のさらなる、抗菌薬の開発に期待しましょう。
<酸素療法>
呼吸器疾患になるのでまずは対症療法として、酸素投与を行います。しかし、リザーバーバッグ付きのフェイスマスクによる酸素療法(通常バッグの膨張を維持する最低流量である流量 10~15 L/分、FiO2 0.60~0.95)を行っても、患者の呼吸仕事量の増加や低酸素血症が続く場合がある。ARDS における低酸素性呼吸不全は、一般的に肺内の換気血流比不均等またはシャントによるものであり、通常人工呼吸器が必要となります。

酸素需要が増大し挿管管理となった場合、ICUへ入室となります。
<適正な呼吸器設定>
新型コロナウイルスに対する人工呼吸器に設定はARDSに準じます。
低一回換気量(4〜8 mL/kg 予測体重)と低吸気圧(プラトー圧 30 cm H2O 未満)での機械的人工換気を実施する。
上記の設定目標にすることで、肺の過度の虚脱を防止することによって肺へのダメージを最小限にします。
ただプラトー圧はを目標に抑えても、実際に肺にかかっている圧力はそれだけではありません。
そこで、今日注目されているのは”経肺圧”です。
経肺圧とは肺に実際にかかる圧のことです。
これは、特別な経肺圧モニター付きの胃管を鼻から挿入することにより測定できます。
経肺圧を測定する意義は以下の通り
- 許容できる圧上限の評価
- 肺を虚脱させないための必要なPEEPの評価
- 人工呼吸器非同調の評価
これらを知ることができます。
なぜ、胃管から挿入したもので測定できるのかなど、今度書いていこうと思います。
以上基本的なことではありますが書いてみました。
今後はもう少し勉強して”経肺圧”について書いていきたいです。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
みなさんご自愛ください。
ここまで読んでいただいた看護師の方へ
僕たち看護師は常にコロナウイルスの感染に晒されているのは明白です。
コロナウイルス感染者の為に僕たちが現場で働くことは使命だと思います。ですが、やはり一番大事なのは自分の健康ではないでしょうか?今年、”コロナウイルスに感染する可能性があるので”という理由で退職された看護師は10数%に上るそうです。国も予算を割いていますが、現場の肌感として、何か変わりましたか?未だマスクは1日1枚、手袋は使いずらいプラスチック性ではないですか?(僕はあれで肌荒れが起こります。)
今後の働き方を考えるころかもしれないと思います。
僕たち看護師は現場テレワークできず、常に満員電車に乗り、コロナ患者を受け持つのですから。
かといって、考え方は人それぞれ。
僕たちがいないと感染者は治らない。僕たちが感染するとさらに感染者に還元できない。
辛い世の中ですね。
看護師のみなさまへ転職について参考になれば幸いです。
