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こんにちは、ナスマガのYUKIです。
本日は頻度としては循環器や脳外科よりも少ないですが、必ず入室する腹部外科領域について書いていきます。
消化管穿孔の基礎

消化管穿孔って?
消化管穿孔は、何らかの原因によって消化管に穴が開き、腸管内容物が腹腔内に漏れることを言います。
考えただけでゾッとしますよね。要するに普段トイレでするものの前段階の内容物が清潔なお腹の中に漏れてしまうということです…。
そうすると、それら内容物によって腹膜炎を引き起こし、重症例ではショックバイタルとなってしまします。感染も同時に引き起こすと、敗血症へ移行することもあります。
消化管穿孔には穿孔の部位によって、上部消化管穿孔と下部消化管穿孔に分けられます。
原因

さて、それでは腸管に穴が開くとはどのような原因があるのでしょうか?
- 消化管潰瘍
- 憩室炎
- イレウス
- 胃がん
- 大腸がん
- 潰瘍性大腸炎
以上のようなことが原因に引き起こされます。
消化管潰瘍なんて、ストレス社会で生き抜く私達にも身近にリスクとしてあるわけです。ましてや、免疫の低下した患者さんや、術後の侵襲=ストレスのかかった術後の患者さんにはリスクが高い。なので、術後はオメプラゾールやランソプラゾールなどの予防薬を投与すると言うわけですね。
症状
つづいて、症状です。
はい。想像に難しくないと思いますが…激しい腹痛がありますね。
- 激しい腹痛
- 筋性防御
- ブルンベルグ兆候
- 腸蠕動運動低下
- 腹水
- 炎症反応の上昇
- CT・X-P上のFree air
ブルンベルグ徴候とは、患者の腹壁を手で垂直に圧迫し、その手を急に離すと鋭い痛みを感じる症状です。腹膜に炎症があると起こる腹膜刺激症状の一つで、反跳痛(rebound tenderness)または反動痛とも呼ばれます。
看護roo 様
治療

こんな激しい痛みは早急に治療が必要です。
上部消化管穿孔では保存的治療や手術療法があり、下部消化管穿孔では手術療法がメインとなります。
<保存的治療>
- 絶飲食
- 輸液
- 抗生剤投与
- 抗潰瘍剤投与
<外科的治療>
上部消化管穿孔:大網被膜術、大網充填術
下部消化管穿孔:穿孔部直接切除、部分切除吻合、病変部位切除人工肛門造設術
このような治療の種類があります。
腸管内の内容物が漏れ出すことによって、腸内細菌が腹腔内に広がり血液中に混入することで、敗血症を引き起こし、発熱、血圧低下などの敗血症性ショックを引き起こします。
そのため、手術後ショックを起こし、循環動態が安定しない場合が多いです。それに対してはICUにてPMX(エンドトキシン吸着療法)を実施し敗血症の改善を図ります。
看護
観察項目は主に以下の内容です。
- ドレーン排液量、性状(ヘマダクトドレーンを使用)
- 創部出血
- バイタルサイン
- 腹部膨満
- 疼痛
- 感染データ
- ストマ管理
- 呼吸管理
循環動態不安定の際の頻出薬剤についても記事にしてます。よければ、一読ください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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